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No.206
作文
2016-05-02
出身: 福島県
居住: 東京都
20代 男性
ログイン名: ボニファティウス8世
タイトル:大人への第一歩
 
 私は家族の名称について悩んでいる。これは私と家族の一対一で生じることではなく、家族との会話に第三者が介入しているときに生じることである。それを引き起こす要因は「世間体」だ。これは大学三年生になり、成人を迎えた私に大きくのしかかる問題であるのだ。次に実際に体験したことを述べよう。
 私は三人姉弟五人家族の末っ子だ。末っ子として甘やかされてきた代償に、両親と姉二人を「パパ」「ママ」「はーちゃん」「みーちゃん」と未だに呼んでしまう癖がついてしまっている。ここで困ることは、友人といる際に家族からの電話に出るときについいつも通りの口調で対応してしまうことだ。そこで私は二つのことの間で葛藤を起こす。一つは周りから変な目で見られたくない、世間体を守りたいという気持ちと、もう一つは急に改まった口調で家族と会話することに対する恥ずかしいという気持ちだ。特に大変な時は、母に用事があるにもかかわらず父が電話に出たときだ。「お母さんに代わって」の一言に私は他人の倍以上のエネルギーを費やしているといっても過言ではないだろう。
 改善策として私は両親をお父さん、お母さんと呼ぶようにする努力をしている。たったそれだけで済むことに、私は苦悩してきたのだ。成人したいま、心から、自分は成人したのだ、という自覚を持ち社会に出ても恥ずかしくないように、大人への第一歩を踏み出していく必要があるだろう。
 そして私は、自分が経験してきたことから、私たちのこどもには私たちのことを最初から「お父さん」「お母さん」と呼ばせようと決めたのである。
 
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