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オンライン辞書,Dictionary


No.214
作文
2016-05-02
出身: 日本
居住: 日本
10代 男性
ログイン名: 中山七風
タイトル:ネット上で敬語は「失礼」?
   以前、Youtubeのコメント欄で喧嘩している人を見た。動画内の音楽の感想に対して、横槍を入れてきたのが原因らしい。しばらくやり取りが続いていたが、やがて一方が「なぜそんな喧嘩腰で話すんだ」と言った。すると相手は「タメ口じゃないと失礼だと思うから」だと答えた。その考えのせいで喧嘩になったのだと思うのだが、確かにネット上での言葉遣いは難しい。
 ネット上での話し方にはルールがない。一応、熱心な人々が「丁寧な言葉遣いを心がけましょう」と呼びかけてはいるが、現実では全く守られる事はなく、呼びかけだけが虚しく響いている状態だ。唯一、メールの作法なる者は広く普及しているが、それも相手方のはっきりしている場合での話である。そんな状態だからこそ、今回のような喧嘩が起きてしまったのだろう。
 僕は最初、「タメ口でないと失礼」という言い分が理解できなかった。昔から手紙や電話など、顔の見えない場面では敬語を使うのが普通であるからだ。しかし、改めて歴史を紐解くと、その理由がわかる気がした。日本でインターネットが普及したばかりの頃最も人気だった「匿名掲示板」というサービスでは、「相手の事を気にせず自由に物が言える」事を目指し、初対面でもタメ口で話す文化が出来た。その結果、初期のネットでは敬語を「よそよそしい」という理由で失礼と思う風潮が出来た。それが現在まで続いているのではないか。そして後からネットを使い始めた人々が現実社会と同じようにネットを使い始め、このような喧嘩の素となったのだろう。もはやどちらが正しいともいえず、ルールを制定して解決する段階も通り過ぎてしまった。
 日本のネット社会の大きな矛盾に気づかせてくれたあの二人には感謝を伝えたい。しかし、そんな時敬語は使うべきなのだろうか。
 
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