選択した文章の本文です。
No.435 |
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出身: Australia 居住: Australia |
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ログイン名: ushiromiyabrody タイトル:敬語の機能 |
高校に入るまでは目上の人とすぐにタメ口で接していたが、高校の部活に入って同様にコミュニケーションスタイルを取ろうとしたところ、おおかたの先輩たちはその振る舞いに呆れ、あなたを受け入れられなかった。このようなことがあってもおかしくないようにも思えるが、どうして言葉遣いには然るべき順番が必要なのだろうか。どうして、初対面の人とすぐにタメ口で接してはいけないのだろうか?
僕は高校を卒業し、大学に入り、入部した際に、知らない人ばかりに囲まれたのだった。性格はもちろん、背景、信教、価値観など、その人たちの何もかも知らなかったのだ。いうまでもないことだが、非常に緊張感に襲われ、誰とも声をかけようともしなかった。このような経験は、誰にもあるはずなのだが、人はなぜ知らない人に囲まれると緊張しだすのだろうか。それは、人は自分の身を守ろうとするものだからである。「知らないイーコール危ない(かも)」というヒューリスティックが人間の脳に組み込まれているのだ。 その不安を取るのには、「知らない」ものを「知らない」から「わかっている」という範疇に移すことにある。そして、その過程の潤滑油として敬語が存在している。敬語は形式的なものであり、人の趣味嗜好や性格などが表しにくいのであるが、敬語があることによって、たとえ全く知らない人であってもある程度の親しさを確保することが出来る。 |
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